模型用語集
このページでは模型用語について(一部ジョークを交えて)解説しています。
目次
[あ行]
[か行]
[さ行]
[た行]
[な行]
[は行]
[ま行]
[ら行]
[わ行]
あ行
- アウトライン
- 輪郭、概略を表わす「outline」からきた言葉。「模型の〜」の場合は模型の輪郭を、「作業の〜」の場合は作業の概略を表わす。
- 後組み加工
- 後ハメ加工と同じ。
- あっ
-
切削作業中などに、勢い余って余計なところまで切削してしまったときに発する言葉。
往々にしてそれが自分の体だったりするもの。
- 後ハメ加工
- 模型のパーツを塗装後に組立てられるように加工すること。組立後に塗装しにくい箇所に行う場合が多い。これによりマスキング作業の負担が減る。「後ハメ加工」「マスキング」「塗装後に組立て」の選択はモデラーの工具と技量、作業時間の見積もりによる。
- 雨
-
必然的に湿度が上がるのでかぶりの原因となり、塗装作業の障害となるもの。
梅雨どきなど、連日雨のために塗装作業に入れないモデラーの呪いの対象となるもの。
- 合わせ目
-
二つ以上のパーツを接着した際に必然的にできるもの。
そして、モデラーにとっては大抵の場合(パネルラインなどが合わせ目にでもこない限り)、それを消す加工を伴うもの。
消しにくい箇所にあったり、もともとの分割方法が悪かったりするとモデラーの呪いの対象となるもの。
- インジェクション
- 一般的なプラモデルの製法のこと、及びその製法で作られたキットのこと。
- ウレタン
- レジンを参照のこと。
- エアフィルター
- コンプレッサーなどで圧搾した空気などを使用する作業において、空気中の粉塵や水分などを除去するために用いられるもの。エアブラシにおいて用いる。レギュレーターとの一体型の製品も多く発売されている。
- エアブラシ
- 圧縮された空気の圧力により「霧吹きの原理」で塗料を吹きつける工具一式のこと。スプレーと異なり細かな調整ができ、グラデーション塗装等、様々な表現が可能。ハンドピース、エアーホース、レギュレーター、コンプレッサー、エア缶などで構成される。ハンドピースのみを指す言葉としても使用される。本来はドライブラシと同じく技法自体を示す言葉。
- エポパテ
- エポキシパテの略。未凝固時は粘土状の製品が多い。模型の改造等に使用する。肉抜き穴を埋めたりパーツを新造したりするために使用することが多い。粘土状のため扱い易い。
- エッジ
- 「edge」。模型のパーツの「へり」や「かど」を表わす言葉。
か行
- ガイドピン
- 模型のパーツどうしを組み合わせる際、パーツがずれないようについているでっぱりのこと。本来は接着面がずれないためについているものだが、昔のキット等、金型の精度が低い場合はこれを使用するとかえってずれてしまう場合がある。
- 角出し
- 昔はC面加工することをこういった。
- 角をだす
- 中研ぎや研ぎ出しを行う際、失敗してエッジ部分の塗膜を削りおとしてしまうこと。
- 角をなめる
- やすりがけの際、失敗して尖っているエッジを丸めてしまうこと。
- かぶる
- 塗装した際に塗膜が白く曇ることを指す。湿度が高いときに発生しやすい。
- ガレージキット
- 個人もしくはグループによる少数生産キットのこと。名称の由来は、個人がガレージで作成したことにちなむという説が有力。(昔、米国のガレージセールにちなむという説も聞いたことがある。)
現在は大手メーカー以外が作るキットのことを指す一般名詞と化している。
- キャスト
- 日本の模型用語では複製用無発砲ウレタン樹脂の通称。本来は投射や鋳造を意味する英語。このようなことになっている由来は、ニッシリが日本で初めて一般向けに発売した複製用無発砲ウレタン樹脂「プラキャスト」の製品名が省略された通称が一般名詞化したことによる。
- キットパーツ
- 作成する模型に最初から付属しているパーツのこと。他の模型のパーツを利用する「流用パーツ」、自作やガレージキットの「改造用パーツ」と区別するために用いる。
- 腐った
-
古くなって劣化した素材が硬化不良や気泡など様々な問題を発生させているさまを表現する言葉。
購入した素材は劣化しないうちに使いきらないといけないという教訓をモデラーに与える。
だが、その教訓が活かされることは結構少なかったりするかもしれない。
- クリアランス
- 模型の可動部分の動作性を指す言葉。可動部分を動かした際、余計な部分に当たったり擦れたりする場合に「クリアランスが悪い」というように使う。
模型を塗装する際は、塗膜の厚さを考慮して「クリアランスを広めにとる」(要は間接部を塗膜の厚さ分、削り取ること)場合がある。
さ行
- C面
- 立体上の面と面をつなぐ部分、いわゆる角やエッジと呼ばれる部分に作られる小さな面。
英語のchamfer(面取り、角材の角を45度に面取りした面などを意味する)に由来する言葉。(Numai氏の指摘により修正)
- C面加工
- 角を削り落とすことでC面を作り出す加工のこと。
- スクラッチ
- 模型のパーツを自作すること、またはパーツを自作して作った模型のこと。後者の場合、完全に自作の場合をフルスクラッチ、キット流用で一部のパーツを自作した場合をセミスクラッチという。
- 筋彫り
- 鋭い針等で模型の表面に凹モールドを彫りこむこと。
- 瞬着
- 瞬間接着剤の略。シアノアクリレート系接着剤のこと。本来は医療用に開発されたもの。接着力は強固なものの、衝撃に弱い。
- 捨てピン部
- 成形後、型離れする時に、わざと抵抗をつけて、移動型に製品を持っていかせるようにするもの。細かい部品等で、強度が弱くなっている所に、円筒形或いは砲弾形の不要部分を付ける。
- スナップフィットモデル
- 接着剤が無くてもパーツを組み合わせるだけでパーツどうしを固定できる模型のこと。固定方法は、パーツについたフックが受け側のパーツにひっかかるフック式と、ピンとピン穴の組み合わせによるピン式がある。近年はピン式が主流。
- スパイダーネット状態
- エアブラシ作業の際、吹きつける塗料が濃すぎて糸をひいてしまうこと。要は塗装失敗。命名の由来はおそらくアメコミヒーローのスパイダーマンの必殺技から。
- スパッタリング状態
- スパッタリングとは塗料を筆のコシや歯ブラシを使って飛び散らせる絵画技法のこと。スパッタリング状態とは、エアブラシ作業の際、ノズルに溜まった塗料をスパッタリングのように模型に吹きつけてしまうこと。要は塗装失敗。
- ソフトビニール
- ポリ塩化ビニールのこと。昔から玩具の素材として使われていた。その造型の自由さゆえにガレージキットにもよく使用される。
- ソリッド
- 「solid」からきた言葉。模型用語としては模型の硬質感やエッジやモールドの精度の高い様子を表わす。「だるい」の対義語。
- ソリッドモデル
- プラスチックモデルが一般化するまでの主流であった木彫り模型のこと。現在も根強いファンがいる。
た行
- ダイキャスト(ダイカスト)
- 鉛、錫、亜鉛等の合金のこと。模型では1/43サイズの車の模型(ミニカー)によく使われている。ホワイトメタルより強度がある。
- ダボ
- 「ピン」と同義。
- ダボ穴
- 「ピン穴」と同義。
- だるい
- 模型用語としては、やすりがけで角をなめてしまっていたり、サーフェーサーや塗料を厚吹きしたためにモールドが埋まっていたりなどして、模型の硬質感やスケール感を損なっている様子を表現する言葉。「ソリッド」の対義語。
- チッピング
- 本来は擦ったり跳ね石が当たったりして塗膜が傷むことを指す言葉。模型用語ではそれを塗装で表現することをさす。
- 突き出しピン跡
- 模型は工場での製作工程において、突き出しピンで金型からはずされる。その際、模型は突き出しピンに押され、結果、その表面に丸い窪みが残る。それを突き出しピン跡という。
- ディテール
- 細部、詳細を表わす「detail」からきた言葉。模型用語としては「細部のディテールがしっかりしている」というように、模型のモールドや造型の程度を表わす言葉として用いられることがある。
- デカール
- 水溶性の糊を使用した模型に貼りつけるマークのこと。認識番号などの数字や部隊エンブレム、注意書き等、手書きでは難しいものを再現するために使う。シールに似ているが異なる。
- 研ぎ出し
- 光沢をだすために塗膜を目の細かいやすりやコンパウンドで磨いてならすこと。
- トップコート
- 模型の仕上げにスプレーやエアブラシで吹きつけるクリアやつや消しクリアのこと。これにより模型全体の光沢を整う他、デカールやマーキングシールと模型の一体感が増す。
- ドライブラシ
- 筆に塗料を含ませてから拭って筆に生乾きの塗料を残し、その筆で塗料を擦りつけるように塗る技法。このように塗装すると出っ張った部分にのみ塗料がのりやすい他、かすれたような表現も可能。その特徴上、ハイライト、チッピング、褪色表現、グラデーションに使われる。ハイライト目的以外のドライブラシを認めない人もいる。ドライブラシに適した形状の筆自体を示す言葉として使われることもある。
な行
- 中研ぎ
- 塗装の際、光沢をだすために塗膜を目の細かい紙やすりやコンパウンドで磨いてならすこと。「研ぎ出し」との違いは、「中研ぎ」はクリアを重ね吹きして「研ぎ出し」を行うための準備作業であるということ。
- 肉抜き穴
- 模型の成型の都合上生じるパーツの裏側の窪みのこと。目立つ箇所にある場合はプラ板やパテで塞ぐ工作を行う場合がある。ロボット系の模型の腰周りの装甲(スカートアーマーもしくはふんどしと呼ぶ)の裏の肉抜き穴を埋めて筋彫りを施すのはモデラーにとってはほぼ定番の作業。
- 呪い
-
購入した模型の素性が悪かったり、造形に使った素材が硬化不良をおこしたり、その他諸々のトラブルに遭遇した際に発せられる言葉。現実世界においてはなんら効力を発揮しない。
言っても無駄だとは判っていても言わずにはいられない。
は行
- パーティングライン
- 模型は鋳物と同じように、金型に材料を流し込むことでつくられる。その際、金型と金型が合わさる部分にできる出っ張りをパーティングラインといい、模型製作の際にはやすり等で削り落とす必要がある。最近の模型にはまずないが、金型が歪んでいたり、ずれたりしている場合、修正にかなり手間がかかることになる。
- パネルライン
- 模型の基になった機械の装甲の継ぎ目やハッチ周辺等の筋のこと。モールドの基といってもよい。
- バリ
- 模型のパーツについている余計な薄い板状のもの。最近の模型では殆ど見ない。パーティングラインと同じ原理でできるもので、金型と金型の隙間に材料が流れ込むことでできる。
- ハンドピース
- エアブラシにおいて、供給される空気によって塗料を吹きだす部分。塗料を蓄えるカップや塗料の吹き出し加減を調整するためのニードルなど様々な部品で構成される。
- ピースコン
- オリュンポス社のハンドピースの製品名。一部のモデラーにハンドピースのことを指す一般名詞として使われることもある。
- ひけ穴
- 凝固する過程で収縮する素材を厚く使用した場合に凝固時に生じるへこみのこと。市販の模型では肉厚のある部分に発生しやすい。
- ピン
- スナップフィットモデルのパーツどうしを固定する棒の部分と穴の部分の内、棒の部分のこと、もしくはガイドピンの略。近年のスナップフィットモデルは、棒状のピンとそれをはめ込むピン穴の組み合わせがほとんど。
仮組みする際は、後で分解しやすいように、よく短く切られる。
- ピン穴
- ピン、もしくはガイドピンと組み合わさる穴のこと。
- プラパテ
- プラスチック用パテの略。木工用パテ等と区別するための名称。タミヤパテやグンゼパテが代表商品。模型用語で単にパテといった場合はこのパテを指す。
- へたり
- 模型の可動部が磨耗や変形によりゆるくなり、可動部を保持する能力をほとんど無くしている状態をさす。
- ベースグレー
- 今では一般に「MAX塗り」と呼ばれるグラデーション塗装技法に用いる下地の灰色のこと。多数の色の混色により比類無い隠蔽力を持つ。MAXファクトリーより製品化もされている。
- ポリパテ
- ポリエステルパテの略。模型の改造等に使用する。凝固前はペースト状の製品が多い。肉抜き穴を埋めるのに使用したりヘラ等で模型の表面に塗りつけて使用したりする場合が多いが、型の中で固めてブロックを作りそれからパーツを削り出すのに使用したりもする。
- ポリキャップ
- ポリエチレンで成型された模型の可動部分の軸受けパーツのこと。可動軸が差し込めるように穴が開いている。柔軟で「へたり」が少ないが塗装や表面処理は面倒。
- ホワイトメタル
- 鉛と錫の合金のこと。模型ではメタルフィギュアによく使われる。
ま行
- マスキング
- 塗装する際に、余計な部分に塗料がつかないよう、テープや紙で保護すること。
- マテリアル
- 各種素材のこと。模型専用であるかないかなど関係なく、使えるものは何でも使う。
- メンソレータム
- メンタムを参照のこと。
- メンタム
- 油脂を主成分とする塗布を目的とした薬剤。模型作業において手軽な離型剤として用いられることがある。メンソレータム、ワセリンも同様に使われる。
- モールド
- 模型の基になったもののパネルとパネルの隙間や表面の模様等を模型上で再現したもの。
飛行機のキットには特にたくさんあり、モールドが凸の場合凹に彫り直すのに膨大な手間がかかることになる。
- モールディング
- 模型の表面にモールドを施すこと。彫る、削る、熱した型を模型の表面に押しつける等の作業を表す。筋彫りはモールディング作業の一つ。
- モーターツール
- リューターのこと。おそらくはドレメル社の製品名が一般名詞化したものと思われる。
- モデラー
-
模型を作る人や原型を作る人をさす言葉。
不健康な材質を使って不健康な生活をしながら一般社会からはどうでもいいものを作ることに心血を注ぐ奇特な人達のこと。
- モデリング
- 模型製作や原型制作術をさす言葉。
- モノアイ
- 単眼のこと。ガンダムのジオン系モビルスーツ等、頭部のセンサーが「一つ目」のものをさす。(例:ザクのピンクの目)
ら行
- ランナー
- パーツ周辺の枠状の部分のこと。型から成型される模型の部分の内、模型を構成する部分をパーツ、パーツを固定する枠かつ成型材の通り道であった部分をランナー、ランナーとパーツの境目で切りやすいように薄くなっている部分をゲートと呼ぶ。
パーティングラインはあるもののほとんどが直線的な円筒で構成されているので、模型の改造等によく流用される。
- 離型剤
- 模型の材料が金型に付着することを防ぐために使用される油。塗装の邪魔になるので、塗装する前に洗剤等で洗い落とす必要がある。
- リューター
- ドリル等、様々なビットを回転させることで工作を行う電動工具のこと。
- レギュレーター
- エアブラシに用いる、空気圧を調整するための装置。圧力計やエアフィルターの機能を備えるものも多い。
- レジン(レジンキャスト)
- 模型用語では殆どの場合、複製用合成樹脂のことを指す。本来は樹脂の総称。キャスト項も参照のこと。ガレージキットは、型をシリコンで作り、そこにレジンを流し込んで作られるものが多い。レジンキャストは本来、樹脂による鋳造複製を指す筈が、(「キャスト」項のような経緯もあって)日本の模型用語では注型用合成樹脂自体を指す言葉として使われる場合が多い。
わ行
- ワセリン
- メンタムを参照のこと。
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