今の製作環境が窓用換気扇を設置できないものであることから、パイプファンを使用して塗装ブースを自作したので、その方法を簡単に紹介します。
適当なサイズに加工したダンボール箱に10cm径の穴をあけ、そこにダクト径100mm (=10cm) のパイプファンのパイプ部分を差し込むことでパイプファンを取りつけます。
ダンボール箱に10cm径の穴をあけるにはコンパスで丸を書いてからその線に沿ってデザインナイフなどで切り取るなどすればいいでしょう。
パイプファンは三菱電機のV-08PP6を使用。これは50Hz地域で100m3/h、60Hz地域で120m3/hとサイズの割に大風量でエアブラシのミストを吸う程度の最低限の性能は発揮してくれます。
こうして取りつけたファンに対して噴霧した塗料が直接かかるように塗装すると、ファンのブレードに塗料が付着してファンの性能が低下するので、ファンの前にフィルターを置くことでそれを防止します。
フィルターはGSIクレオスのハニカムフィルターを使用し、半分に切ったものを三枚重ねて使用しています。
このように厚みのあるフィルターを重ねることで、ファンに直接塗料がかかることを防止するとともに、整流により吹き返しを防止し、また噴霧した塗料がファンに到達するまでに乾燥するだけの距離も得ます。このようにして塗料を乾燥させれば、噴霧した塗料がファンにこびりつきにくくなります。
パイプファンの電源コードを箱の角に開けた穴に通して出し、パイプファンのパイプ部分に内径10cm(100φ)のアルミ製フレキシブルダクトホース(アルミフレキ)を取りつけ、ホースのもう一方はエアコン用の穴につなぐなどして排気を屋外に出すようにします。ホースの固定はしっかりとりつけるにはアルミテープなどを使用した方がいいのですが、私の場合は分解しやすさも考えて幅広マスキングテープで固定しています。
電源についてですが、パイプファンV-08PP6の電源コードには電源プラグがついていないので市販の電源プラグを取りつけ、その上で延長コード(100円ショップで購入)をつないで電源に接続しています。
以上で完成です。50Hz地域で100m3/hというファンの性能的に10cm足らず程度の近距離でエアブラシのミストを吸ってくれるという程度の最低限の性能しかありませんが、一応実用には耐える性能はあります。
材料費はおよその値段でパイプファンに4000円、アルミフレキに800円、電源プラグに100円、延長コードに100円、GSIのハニカムフィルター二枚に700円でだいたい5700円くらい。
性能的には同程度の塗装ブースがものによっては7000円くらいで買えることがあることから、この程度の性能のものであればあまり自作のメリットはないかなとも思います。
なんというか、価格性能比的には窓用換気扇を使用した方が圧倒的に高性能なものを製作できるので、状況的に可能なら窓用換気扇を使用した方がよいと思います。
価格:
760円
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