瞬間接着剤硬化促進剤の種類と効果

 瞬間接着剤は少量の塗布であれば短い時間で硬化しますが、盛ったり、隙間に充填したりで多めに使うとなかなか硬化せず、また、揮発してからの硬化で周囲を白く曇らせてしまいやすくなります(白化)。
 瞬間接着剤硬化促進剤を使用すれば硬化時間を短縮しつつ、白化を低減できます。
 市販されている瞬間接着剤硬化促進剤にはアセトン系、シクロペンタン系、アルコール系といった種類があり、臭いやプラスチック浸食性や白化低減効果に差があります。

アセトン系瞬間接着剤硬化促進剤

アセトン系瞬間接着剤硬化促進剤  画像はアセトン系瞬間接着剤硬化促進剤である東亜合成のaaアクセレレーター。アロンアルファ用となっていますが、基本的に他のシアノアクリレート系接着剤=瞬間接着剤でも使用できます。
 アセトン系はこの記事で取り上げるものの中では硬化時間が一番短く、白化低減能力も最も高いものです。その一方でプラスチック浸食性が最も高く、臭いも一番強烈です。
 白化低減能力の高さはアセトンが硬化した瞬間接着剤も溶かせる溶剤であることによります。その一方でアセトンはスチロールやABSといったプラスチックも溶かしてしまいますので、それらに噴霧すると表面を曇らせてしまいます。これでクリアパーツなどを曇らせてしまった場合はコンパウンドで磨くことでリカバリーできる場合もありますが、基本的にクリアパーツの接着には使わない方がいいでしょう。

シクロペンタン系瞬間接着剤硬化促進剤

シクロペンタン系瞬間接着剤硬化促進剤  画像はシクロペンタン系瞬間接着剤硬化促進剤であるアルテコのスプレープライマー。
 シクロペンタン系はこの記事で取り上げるものの中では二番目に硬化時間が短く、白化低減能力も二番目です。プラスチック浸食性はアセトン系よりは低く、臭いもアセトン系よりはましです。それゆえ、東亜合成のaaアクセレレーター3のように低臭気タイプとして扱われることもあります。
 硬化時間はアセトン系よりは幾分劣るものの、白化低減能力は実用上はほぼ同等で、臭気的にはアセトン系より使いやすいというバランスタイプ。
 ただ、アセトン系よりはましですが、やはりプラスチックを浸食してしまいますのでクリアパーツへの使用は避けた方がいいでしょう。

アルコール系瞬間接着剤硬化促進剤

アルコール系瞬間接着剤硬化促進剤  画像はアルコール系瞬間接着剤硬化促進剤である東亜合成のaaセッター。アロンアルファ用となっていますが、基本的に他のシアノアクリレート系接着剤=瞬間接着剤でも使用できます。
 アルコール系はこの記事で取り上げるものの中では同等の条件において最も硬化時間が長く、白化低減能力も低いものです。その一方でプラスチックの浸食は無視できるもので、臭いも最も気になりません。
 白化低減については、瞬間接着剤の揮発による周囲の白化は低減できるものの、硬化した瞬間接着剤を溶かす能力に乏しいので、アルコールに溶けてから硬化した瞬間接着剤が盛りつけた瞬間接着剤の表面を曇らせる感じ。
 基本的に模型用に使われるようなプラスチックに対するアルコールの浸食は無視していいものなので、その点においては使いやすいのですが、硬化時に瞬間接着剤表面の白化が起こりやすいのが欠点。また、アルコールで溶けるような水性塗料での塗装面を曇らせてしまうこともあります。
 模型関連のメーカーから発売されているものは量あたりの価格が高いので、アルコール系瞬間接着剤硬化促進剤を買うなら東亜合成のaaセッターやaaアクセレレーター2の方がお勧め。
 個人的にはaaセッターがお勧め。スプレータイプでは1〜2%しか含まれていない硬化促進成分である芳香族アミンが20〜30%も含まれており、アルコール系でありながら他の瞬間接着剤硬化促進剤と比較にならないくらい強力な硬化促進能力を持つからです。(アミノ基(-NH2)も瞬間接着剤の重合反応開始のトリガーとなり、アミノ基を持つ物質、例えば芳香族アミン(トルイジンなど)のようなアミン化合物は瞬間接着剤硬化促進剤として使用可能です)
 aaセッターには理論的には20倍近くアルコールで薄めても瞬間接着剤硬化促進剤として使えるだけの成分が含まれているわけで、スポイトで滴下とか筆に含ませて揮発ガスの雰囲気をあてるといった用法で覿面に効果が現れます。

aaセッターの使い方

 aaセッターの使い方には、接着面の一方に塗布して乾燥させた後にもう一方の接着面に瞬間接着剤を塗って貼り合わせるなどの瞬間接着剤を塗る前に使用する方法と、瞬間接着剤を塗って貼り合わせた後に脱脂綿などにaaセッターを含ませたものと一緒に密閉容器に入れることで揮発した芳香族アミンにより硬化させるなどの瞬間接着剤を塗った後に使用する方法がありますが、ここでは瞬間接着剤を塗った後に使用する方法を紹介します。

aaセッターを脱脂綿などに含ませたものと一緒に密閉容器に入れる

 タッパーなどの密閉容器に瞬間接着剤を使用した部品を入れてから脱脂綿にaaセッターを含ませたものも一緒に入れて蓋をし、揮発したaaセッターで硬化させる方法。
 瞬間接着剤で貼り合わせた複数のパーツをまとめて硬化させるときなどに便利な方法。
 アルコールが直接瞬間接着剤塗布部にあたるわけではないので、瞬間接着剤を短時間で硬化できるくらい密閉容器内のaaセッターの濃度が高ければ白化を起こしにくい方法です。

aaセッターを筆や脱脂綿に含ませ、その筆や脱脂綿を瞬間接着剤塗布部に近づけ、場合によってはブロアーで揮発ガスを当てるのを補助する

 筆や脱脂綿にaaセッターを含ませ、その筆や脱脂綿を瞬間接着剤塗布部に近づけ、揮発したaaセッターを瞬間接着剤塗布部にあてることで硬化させる方法。ブロアーなどで揮発したaaセッターを瞬間接着剤塗布部に吹きつけるようにするとより効果的。実施する際は筆や脱脂綿を瞬間接着剤塗布部に当てないように注意。筆や脱脂綿の代わりに綿棒などを使用してもいいですが、表面積的に揮発する量が違うことには留意してください。
 張り線を瞬間接着剤で固定するときなど、塗装面に硬化促進剤を直接あてることなくピンポイントで瞬間接着剤を硬化させたいときなどに便利な方法。
 これもアルコールが直接瞬間接着剤塗布部にあたるわけではないので白化を起こしにくい方法です。

無水エタノールで希釈したaaセッターをスプレーボトルに入れ、瞬間接着剤塗布部に吹きつける

 aaセッターを無水エタノールで薄めたものをスプレーボトルに入れておき、瞬間接着剤塗布部に吹きつける方法。私は目分量で10〜20倍程度に薄めたものを使用していますが、特に問題なく硬化しています。むしろ反応が激烈過ぎるので原液を吹きつけるのは禁止。
 工作の途中で盛りつけた瞬間接着剤や瞬間接着パテを手軽に硬化させたいときなどに便利な方法。
 ただし、瞬間接着剤塗布部の白化を起こしやすい方法なので、盛り削りする箇所など、仮に白化しても問題ない場合にのみ使う方がいいでしょう。

aaセッターの液をスポイトなどで瞬間接着剤塗布部に滴下する

 瞬間接着剤塗布部にaaセッターを滴下する方法。説明書にも記載がある方法ですが、個人的には反応が激烈過ぎてあまりお勧めできない方法。穴埋めや盛り上げなどで瞬間接着剤を多く使用している場合にこれをすると、一気に硬化することによる反応熱で煙をふいたり、沸騰するためか盛った部分の内部に気泡ができたりすることがあり、少なくとも私の工作方法には合わない方法です。

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