今回使用するキットはハセガワ 1/200 ANA ボーイング 767-300 FLY!パンダ。
購入したキットは組み立てに入る前にまず内容を確認します。
説明書のパーツリストと照らし合わせてパーツの欠損や成型不良が無いことを確認。
もしパーツの欠損があった場合は、国産キットなら販売店やメーカーに、輸入キットなら販売店や輸入販売元に相談します。
塗装に必要な塗料も説明書で確認し、所持していない場合は購入するなり、別の色で代替するなりすることを決めます。
説明書の組み立て手順と実際のパーツを見て製作方針を決めます。
この連載での製作方針ですが、このキットの場合、コクピットと客席の窓がデカールで付属していますので、胴体に穿たれている客席の窓の穴は埋めてしまい、コクピットと客席の窓はデカールで再現するものとします。
凸モールドは凹に彫り直すこととし、全部接着してからでは彫り直し難いので、胴体、主翼、尾翼は筋彫りが終わってから接着するものとします。
降着装置を組む手間を省くために飛行状態で組むこととし、そのために脚庫扉を閉じる加工を行うこととします。
飛行状態で組むことから胴体にスタンド固定用の穴を開けることとします。
組み立てに入る前に、パーツに付着している離型剤が接着や加工に悪影響を出すことを防止するために洗浄します。
キッチン清掃用など油分解性能の高い洗剤をランナーの表裏にスプレーし、数分から十数分置いた後に水ですすぎます。
使用する洗剤ですが、私はシンプルグリーンの原液を使用。水切りには100円ショップで購入した角型のザルを、受け皿にはA4ケースを使用。
大抵の場合、国産のキットには離型剤がほとんど付着していないので、この段階でのパーツの洗浄は不必要ですが、念のために実施。
画像は仮組みに使う工具で左からゲートカット用のニッパー、オートロック機能付きのカッター、マスキングテープです。マスキングテープは仮止めに使います。
指ではつまみにくいような細かいパーツがあるキットの場合はピンセットも必要となってきますが、このキットの場合は必要ありません。
ランナーからパーツを切り出すにあたっては、切断箇所がささくれたり抉れたりするのを防止するために二度切りをします。
まず画像のようにゲートを少し残してニッパーで切断します。ニッパーでの切断のこつとしては、まず受け刃を切断箇所に当て、最低限の力で握り込んで切れ刃で切るようにします。
次に切り残したゲートを根本から切ります。切断時にパーツの方まで切ってしまわないようにニッパーの刃の背をパーツに当てるようにして切れ刃で削り取る感じで切断します。
切断したゲートを作業用トレイなり空き箱なりで受けるようにして切ると後片付けが楽になります。
二度切りでゲートを処理しきれなかった場合や、残したゲートが短すぎてニッパーでは切りにくい場合は、残ったゲートをカッターで処理します。
カッターの扱いに慣れていない人の場合は、カッターの握り方は逆鉛筆持ちがお勧め。
まず、カッターを鉛筆のように持ち、手前側ではなく奥側に刃を向けます。
この状態で刃を残ったゲートに当て、カッターを親指の腹で押すことで残ったゲートを切ります。
刃はゲートに対して直角に当てるのではなく、刃の切れ味を活かすために幾分斜めに刃を滑らせるようにして切ります。
このようにして切れば、カッターは親指の可動範囲しか動かないので刃の軌道を極限でき、比較的安全に切ることができます。
プラモデルはその成型の都合上、金型の合わせ目の部分にパーティングラインができます。
接着面のパーティングラインはパーツの合いを悪くし、接着を阻害しますので、これを削り取ります。
削り取る方法はやすりやデザインナイフなどでもいいのですが、ここではカッターでカンナがけして削ります。
カッターの刃を削る面に当て、刃を動かす方向に幾分寝かせて、力をかけず表面をなでるようにしてパーティングラインだけを削り取るようにします。
ゲート処理を終えたパーツ。旅客機模型はもとからパーツ数が少ない上に、今回は降着装置も組まないので、組み立てに必要なパーツはこれだけです。
パーツのゲート処理を終えたら、これからの工程の確認のためにパーツを仮組みします。
このようなスナップフィットではないキットの場合は接着する代わりにマスキングテープで仮止めすることで仮組みします。
マスキングテープを使うのは糊が残りにくいから。セロハンテープなどの糊が残りやすいテープを使うと後処理が面倒なことになりかねません。
このように実際に接着剤をつける接着面と接着シロの確認を行い、接着強度を確保できそうにない場合は補強方法を考えたり、パーツの位置と合いに問題はないかを確認したり、パーツの腹を押さえたときにパーツがたわんで合わせ目が裂けるような部分がないかの確認をしたりといった各種確認作業を行います。