パチ組み墨入れ編

 パチ組み墨入れは初心者や有機溶剤臭のする素材が使えない人でも気楽に楽しめる組み方です。手間をかけない分、完成度は低いですが、悪臭のする素材や毒性の高い素材を使わない分、周囲への迷惑も少ないのが特徴です。
 パチ組みとは接着不要な設計(スナップフィット)のプラモデルをパチパチと塗装も合わせ目消しもせずに組み立てること。
 墨入れはプラモデルの細かい凹部分に暗い色を塗ることで影を塗装で表現することです。

準備するもの

 パチ組み墨入れ編で使用する工具は以下の四種類です。
 パーツを切り出すためにニッパーとカッター。墨入れのためにガンダムマーカースミ入れふでペンと綿棒。
 ニッパーは初心者であれば模型店で500円前後のものを選ぶといいでしょう。100円ショップで売っているようなニッパーは精度が低すぎて精密な模型製作にはあまり向いていません。2000円を越すような高級品は確かに精度も切れ味も申し分無しに良いのですが、力加減に慣れていない人だとすぐに刃を駄目にしてしまう可能性が高いのでお勧めできません。
 カッターはオルファの特選黒刃ロングをお勧めします。切れ味鋭くランニングコストも安いです。
 綿棒は普通の作業では100円ショップので十分です。

 組み立てるキットの選択ですが、有機溶剤臭などの問題で接着剤が使用できない場合は接着不要のスナップフィットキットが良いでしょう。画像はタカラの「世界の傑作機」。パーツが塗装済みの半完成品のスナップフィットキットです。

パチ組み作業

 まずパーツをゲートを少し残すようにして切り出します。画像はゲートを残すためにニッパーを裏表にして切断している様子。
 何故ゲートを残すかというと、いきなり根元からゲートを切ると切断面にかかる力によりパーツがささくれたり割れ目が入ったりと、パーツを傷つけたりすることがあるからです。
 ニッパーはギュッと力いっぱい握るのではなく、パーツを切り出すのに必要最小限の力で握ること。力いっぱい握るとニッパーの刃をすぐに駄目にしてしまうことになります。

 ゲートを残して切り出したパーツ。

 次に残したゲートをカッターで丁寧に切り取ります。スナップフィットキットですので、このようにゲート処理した後は説明書通りに組み立てるだけです。

カッターの握り方

 工作を行う際のカッターの握り方には色々ありますが、基本となる二種類を紹介します。
 刃物を扱う際の基本は刃を人や自分に向けないこと。不本意に人や自分に怪我をさせないためです。

 画像は小刀握り。荒削りなど大雑把な作業に向いた握り方です。

 画像は逆鉛筆握り。鉛筆を握るように握るのですが、刃の向きは自分とは反対方向にします。細かい作業に向いた握り方です。
 普通に鉛筆握りしてもいいのですが、こういう工作で鉛筆握りをすると刃物の扱いに慣れていない人は手を切りやすいようですので、こちらをお勧めします。体を切らない基本は刃の通りうる軌道上に体を置かないこと。工作で指を切ってしまう人は大体この基本ができていません。

パチ組み終了

 パーツを説明書通りに組み立てた画像。

墨入れ作業

 ガンダムマーカースミ入れふでペンでパネルラインを塗ります。はみ出してもかまいません。(「ガンダムマーカースミ入れふでペン」は通常の「ガンダムマーカースミ入れ用」では書き込めないような極めて細かいスジ彫りにも墨入れ可能)

 次に綿棒ではみ出した部分を拭き取ります。乾いて拭き取りにくい場合は綿棒に少し水を含ませると拭き取りやすくなります。

 墨入れ後の画像。パチ組み終了時の画像よりスジ彫りがくっきり見えるのが分かると思います。

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