筋彫り

 模型は金型の都合上、本来凹んでいるはずのモールドが凸だったり、モールドが浅かったり、はたまたモールドが施されていなかったりすることがあります。
 そういうモールドですが、より良い仕上がりを望むのであれば彫り直した方が良いでしょう。
 彫り直す方法は様々ですが、ここに作業に用いている工具の紹介と実際の作業について記述します。

筋彫りに用いる工具

工具

 画像は筋彫りに用いる工具です。
 右から順に、アートナイフ、目立てやすり、Pカッター、ケガキ針、アートナイフの柄に取り付けたエッチング製ノコギリ×2です。
 他にも様々な工具が色々なメーカーから発売されています。

補助

 筋彫りの際にガイドとして用いている道具です。下は市販のテンプレートを加工したもの。上はそのテンプレートを保持するために用いている両面テープです。

筋彫り工具の特徴

筋彫り箇所断面図特徴
断面図 ケガキ針 ケガキ針は彫る方向を自由に変えられることから、筋彫りにおける万能工具といっていいでしょう。他の工具では困難な小さな円を彫ることも容易です。その一方、プラ材などに用いた場合、筋彫りした箇所の両脇が捲れて盛り上がってしまうので彫った個所を紙やすりなどで均す必要があり、作業における時間対効果は低いものとなります。彫る際は、一度に深く掘ろうとして力をこめてけがくのではなく、彫る面に対して垂直に立て軽く何度かなぞるというようにして用います。
断面図 アートナイフ 順方向に何度か微妙に角度を変えつつ切ることでV字型の筋を彫ることができます。背の方を用いることでPカッターのように刃を当てた箇所を削り落としながら彫ることもできます。容易に細くて深い筋を掘れますが、小さな円を彫るといった用途には向きません。
断面図 エッチング製ノコギリ 他の工具が深く掘れば彫るほど筋が太くなっていくのに対し、深く掘っても筋が太くならないのが特徴です。細くて深い筋を容易に彫れるので、直線を彫る分には非常に便利なのですが、曲線を彫る用途には向きません。
断面図 目立てやすり 模型用の工具では工具自体を傷めてしまう、真鍮線などの金属への筋彫りに用います。プラスチックへの筋彫りにも用いることができますが、細い筋を彫る分には他の工具の方が優秀です。
断面図 Pカッター 刃を当てた箇所を削り落としながら彫ることができるので、針と異なり捲れた部分を処理する必要がありません。また、他の工具が何度か筋を彫る箇所をなぞらないとならないのに対し、ほぼ一回で筋を彫ることができます。刃の形状から筋が深さの割に太くなりがちなので、砥石で砥いで刃を薄くすることで、より細い筋を彫ることができるように加工して用いられることがあります。

 実際の作業はこれらの工具を時間対効果などを考えながら使い分けます。
 直線や緩い曲線を彫る場合は時間対効果が良いPカッターやアートナイフの背。細くて深い筋が彫りたい場合や既に彫った筋のちょっとした修正はエッチング製ノコギリ。小さな円など、他に選択肢の無い場合はケガキ針といった具合です。

実際の作業

ガイド

 ガイドとなるものを彫る対象に固定し、工具で彫ります。
 画像では両面テープでテンプレートを固定してガイドとし、ケガキ針で彫っています。
 ガイドにするものは目的を達成できるものであれば別になんでも良いでしょう。一般的なものは、プラスチックテープ、透明プラ板+両面テープ、凸モールドのキットなら、その凸モールド自体といったところでしょうか。

筋彫り

 筋彫りを終えた状態。
 ケガキ針により捲れて盛り上がった箇所を当て木した紙やすりで削り落としたので、彫った筋に削り屑がたまり、画像では白く見えています。

モールドが甘くなりやすい箇所について

モールドが甘いなりやすい箇所

 プラモデルは金型の都合上、どうしてもモールドが甘くなってしまう箇所があります。
 画像の場合、AやBの箇所は良いのですが、Cの箇所はモールドが浅く、形状自体もよくありません。

 より良い仕上がりを求めるのであれば、Cのようなモールドは彫りなおした方がいいでしょう。

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