後ハメ加工

 後ハメ加工(後組み加工)は、主に「塗装後に組立てられるように模型を加工することで、表面処理や塗装を楽にする」ために行う工作です。
 具体的には、パーツの塗装色が異なる部分を切り離して別パーツ化したり、ピン穴を加工して塗装色が異なるパーツを後ではめ込めるようにしたりという作業を指します。(ピン穴…スナップフィットモデルのパーツ固定用のピンを受ける穴。ダボ穴ともいう)

 多色成型の進んだ現代のプラモデルにおいては、ピン穴を加工して後ハメできるようにすることが多いので、まずはこれについて解説します。

後組み加工図

 左が加工前のピン穴を指します。真ん中の穴にパーツ固定用のピンを挿し込むことによりパーツ同士が固定されるようになっているものです。
 で、右が加工後。ピン穴の一部を切り欠いてやることで、切り欠いた方向からピンをはめ込むことができます。
 これにより表面処理と塗装を終えた後に組立てたパーツ同士をはめ込めるというわけです。(制作過程のケンプファーの第一回参照)

 次に別パーツ化やパーツの新造による後ハメ加工を例をあげて解説します。
 以下の画像は工作途中で何年も放置している模型のパーツの一部です。

後ハメ加工の例

 ハセガワ1/72F-14の可変翼です。
 左右の翼の同期用ギアを切り取り、本体固定用の穴をパーツ外側へ切り広げることで後ハメできるようにしています。
 可変翼機全般に使用可能な加工です。

後ハメ加工の例

 バンダイ1/144ジャベリンのショットランサーです。
 槍の部分と発射機の部分が一体成型されていたので、槍の部分を切り取り、槍自体は2ミリプラ棒から新造しています。
 発射機の方は3ミリ径のドリルで発射機の口を広げた後、エポキシパテをその中に盛り込んで、硬化後にドリル(2ミリ径、3ミリ径)で加工して、槍の部分を固定する穴を作成しています。(今見ると、内部にポリキャップを仕込んで発射状態を再現できるようにした方が良かったなと思います。)

後ハメ加工の例

 バンダイ1/144GP-03Sの胴体です。
 肩関節を青いパーツの方に移植することで、青いパーツと白いパーツを別々に塗装できるようになっています。(今見ると、肩関節と首関節も別パーツ化した方がいいですね。ボールジョイントを仕込んだりして。)

後ハメ加工の例

 バンダイ1/100F-91の胴体です。
 首関節を胴体から切り離して別パーツ化しています。
 首関節の方にはエポキシパテを盛ることで、塗装後に接着する際のガイドを作っています。

 他にもキットにより様々な方法があります。
 一口に後ハメ加工といいますが、作る人の工夫次第で無数のバリエーションがあるわけです。

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