旅客機キットを作る際、客席窓を表現するのに付属のデカールを使う場合でパーツに客席窓の穴が開いている場合、その穴を埋める必要があります。
その際、客席窓の穴を一つ一つ埋めては平らに整形していては手間がかるので、マスキングテープで客席窓の穴に目張りしてから、その穴に瞬間接着剤を流し込み硬化させることで一括で埋めてしまいます。
埋める方法はポリパテなどでも別にかまわないのですが、強度や剥がれやすさや硬化後の収縮による隙間発生などを考えると、瞬間接着剤で埋めた方が信用性も作業効率も良いというのが私の結論です。
まず、胴体外側の埋める客席窓の穴の部分にマスキングテープを貼ることで目張りします。
裏返して低粘度から中粘度の瞬間接着剤をできるかぎり気泡が入らないように流し込みます。ゼリー状などの高粘度の瞬間接着剤は流れ込みにくく気泡もでやすいので、こういう作業にはあまり適しません。
もし気泡が入ってしまった場合は、竹串なり爪楊枝なりで気泡を潰します。
瞬間接着剤硬化促進剤を吹き付けて瞬間接着剤を硬化させます。
しばらくおいて瞬間接着剤が完全に硬化してからマスキングテープを剥がせば完了です。厚く盛っているので完全硬化にはそれなりの時間が必要です。気温や湿度の影響を受けますが、30分はみた方がいいでしょう。
マスキングテープの糊や繊維もくっついてしまうので、その処理も必要ですが一つ一つ処理するより遙かに少ない手間で窓を埋めることができます。
マスキングテープ等で目張りして何らかの素材で埋め硬化後に剥がすこの方法は、旅客機の窓埋めに限らず、平らに整形する場合全般に有効な方法です。
市販の瞬間接着剤硬化促進剤を入手し難い場合は薬局などで購入できる無水エタノールを瞬間接着剤硬化促進剤として使うという方法もあります。
といってもエタノール自体が瞬間接着剤を硬化させるわけではなく、瞬間接着剤を硬化させているのは水なので、空気が乾燥している時期には無水エタノールそのままでは殆ど役立ちません。
そこで、無水エタノールに5〜10%程度の少量の水を加えた溶液をスプレーボトルに入れ、そのミストを瞬間接着剤塗布部分に吹きつけてやります。アニオン重合の開始剤として瞬間接着剤の表面に微量の水が付着した状態を作りだすことが目的なので、水の割合はこのように少なくてよく、吹き付ける量もアルコールがすぐ乾く程度で十分です。むしろ、水の割合が多かったり、水そのものを吹き付けた場合はなかなか硬化しません(実験済み)。スプレーボトルは100円ショップで購入可能。画像のような小さなものは化粧品コーナーにあります。
ただ、アセトン系やジクロペンタン系の硬化促進剤と違って硬化時に盛り付けた瞬間接着剤が白化しやすいこと、硬化開始も遅いことには注意が必要です。