ウォッシング(洗い塗り)

ウォッシング中  ウォッシングとは非常に薄めた塗料で塗装面全体を洗うように塗装する技法のことです。
 模型に用いる場合、下地の塗料を犯さない塗料で行うのが普通です。(ブレンディング効果を狙う場合は別ですが)
 画像はアクリル塗料で塗装した上に、非常に薄めたエナメル塗料のフラットブラック(つや消し黒)でウォッシングした様子。
 エナメル塗料によるウォッシングは、エナメル溶剤の浸透性が非常に高くパーツを脆くしやすいので、可動部など保持力のために力がかかっている部分や変形を修正するために曲げて接着した部分が割れる可能性があります。
 ゆえにウォッシングする際は、そういった箇所は避けるか、そもそもエナメル溶剤のような浸透性の高い溶剤は使わないのが無難です。
 ウォッシングには全体の色調をウォッシングに使用した塗料の色に近づける効果がある他、液体は凹部に溜まりやすいことから、凹部に溜まりやすい汚れの表現にも使えますし、暗い色を用いれば陰影を強調する効果があります。

ウォッシング後  ウォッシング後の画像。
 暗い色によるウォッシングは全体の色調を整える他にパネルライン等凹部への墨入れも兼ねています。
 この全体の色調調整と凹部への墨入れを兼ねるために、AFV模型では黒立ち上げ塗装でわざわざ目的の明度より一段明るい色で塗装し、ウォッシングを行うわけです。
 ウォッシングと墨入れを兼ねてしまえば、墨入れの際にはみ出た塗料を拭き取る手間を省くこともできます。
 また、ウォッシングに使用した塗料を雨が流れる方向に拭き残しつつ拭き取ることで雨による汚れ(レインマーク)を表現することもできます。
 これもまた、複数の目的を一つの作業で果たす技術というわけです。

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