高価な工具は使わず、塗装の際もマスキングせずに製作します。
まず説明書と現物を比べて、塗装後に組立てるパーツと組立ててから塗装するパーツを頭の中で分類します。
それからランナーからキットのパーツをきりだしていきます。
ホイール等のメッキパーツはメッキを落として使用します。家庭用漂白剤(キッチンハイター等)の原液に数時間つけることでメッキを剥がすことができます。
ゲート処理をし、この時点で組立てるパーツは接着してしまいます。
車体のパーツはバンパー等が別のパーツに見えるように筋彫りを深く彫りなおします。
接着後は数日間放置し接着剤が完全に乾燥するのを待ちます。
その後、パーティングラインと合わせ目を消し、塗装面を薄めた中性洗剤を含ませた布巾で拭き取ります。塗装面に付着した油分や埃を拭き取るためです。
手で直接パーツを持たないでいいようにパーツを割り箸やプラ棒、クリップ等に固定していきます。下の写真をご覧ください。挿しこめる箇所があるパーツは割り箸、金属線、竹串、爪楊枝で、はさめる箇所があるパーツはクリップで固定し、そうできないパーツは両面テープでプラ板に固定しているのがわかるでしょうか。
こういうふうにパーツを固定してからサーフェーサーを吹きつけます。
完全に乾燥してからパーツの表面を確認します。サーフェーサーを吹きつけたことにより、細かい傷は埋まり、粗い傷を発見しやすくなります。
粗い傷を発見したら溶きパテ等で処理し、終わったら再度サーフェーサーを吹きつけて傷の確認をおこないます。
確認が終了したらサーフェーサーで埋まってしまった筋彫りを彫りなおし、全体のざらつきを目の細い紙やすりでこすっておとします。
次に塗装に入ります。
車体パーツは全体を基本色で塗装します。ホイール等のメッキされていたパーツはシルバーで塗装。他のパーツもそれぞれの色に塗装します。
次に車体パーツにデカールを貼り、車体パーツとメッキされていたパーツ全体にクリアーを吹きつけます。
完全に乾燥したら今度は細かい部分を筆塗りしていきます。マスキングの手間を省くためです。ライトの箇所をシルバーで塗装し、その後バンパー等の場所をフラットブラックで塗装。ウインカーはシルバーを塗装した上にクリアーオレンジを塗ります。
完全乾燥後にクリアーパーツ等をクリアーボンドで接着。
後は順次組立てて軽く墨入れして完成です。
パーツ数も少なく、改造もしていないため簡単に完成できました。塗装にはエアブラシを使用しましたが、エアブラシならではの特殊な技法は使用していないので缶スプレーで代用できるでしょう。
他に使用した工具はニッパー、デザインナイフ、平やすり、紙やすり、接着剤、サーフェーサー、塗料、筆、溶剤、タミヤパテ、家庭用漂白剤とタッパー(メッキをおとす際に使用)です。この程度の工具ならこれから模型をはじめようという方も簡単に揃えられるのではないでしょうか。
完成したキットは可能ならば埃等を避けるためにケース等に入れて保存した方が良いでしょう。こうしておけば人に触られて手の油で塗膜が劣化することもさけられます。